March 8, 2018

Sorry と Thank you




日本語は、とりあえず謝る文化


日本語の定型句や雛形には、相手に迷惑をかけてはいけない、とう気持ちが至る所に滲み出ている、思いやりのあるものが多くあります。

「大変申し訳ございませんが」
「恐れ入りますが」
「ご多忙の所申し訳ございません」
「突然のご連絡失礼致します」
「何卒宜しくお願い致します」
「お手数をお掛けしてすみませんでした」

というように、謝ったり、頭を下げるようなニュアンスの言葉で始めたり終えたりする形式になっています。

ここで「日本人は頭下げ過ぎ」だの「腰が低すぎ」だの「もっと自信を持て」などと言うつもりは一切ありません。

日本で社会人経験が10年ほどあるので、日本人だって堂々としてバリバリ仕事をしていることも僕は知っています。

ただ、日本語ってそういう言語(どう書いても流れ的に最後は「お忙しい所申し訳ございませんがよろしくお願いいたします」的に頭を下げるような文に落ち着く)だと思いませんか?






英語は、とりあえずお礼を言う文化


逆に英語は、とりあえず「サンキュー」って言っておけ、っていう文化だと言っても華厳、いや、過言ではないと思います。

例えば上司に
「これやっておいたからね」
と言われた場合。


日本語なら、
「あ、やって頂いちゃってすみません、お世話様でした」
とか、そんな感じになると思います(わざと口語的にしてみました)。

ですが英語の場合、
「あ、ありがとうございます、助かります」
となります。

「お待たせしてしまい申し訳ございません。」

は、サラッと

「Thank you for your patience.」

です。

言われた方はズコーッ!ですけどね。






よろしく、も、サンキュー。


「申し訳ございませんが、宜しくお願い致します。」
「お手数ですが、宜しくお願い致します。」
「お忙しいところ恐縮ですが、宜しくお願い致します。」

などの「よろしく」も、Thank you で置き換えらえます。

日本語のビジネスメールでは、とりあえず〆の言葉に困ったら
「よろしくお願いします。」
と書いておけば間違いありませんが(そうなのか)、

英語では〆の言葉に困ったら Thank you でオッケーです。


書類を誰かに渡す時も、日本語なら

「じゃ、よろしく~」
とか
「じゃ、こちら、よろしくお願いします、すみません」

ってな感じですが、英語だと

「Thanks♥」

でオッケーです。






クレームにも「ありがとう」

某企業の接客マニュアルには、クレームには

「まず最高丁寧にお詫びをする」

というのが最も重要で、一番初めにすべきことと書かれていたりしますが、

カナダで生活して良く見聞きするのが

「Thank you for bringing this to our attention.」
(「ご指摘ありがとうございます」)

と、ここでもサンキューです。


カナダでの社会人経験が無いと、

「あいつら(カナダ人)絶対謝んねーのな」
「まずは謝罪だろ?」
「サンキューじゃねーよ」

などと思ってしまうかもしれませんが、

「まずは謝罪」
「常に頭を下げる」
「腰を低く」

は日本の常識であって、日本の常識はカナダの常識ではないということですね。

サンキューはありがとう、ソーリーはごめんなさい、と、言葉自体の言い換えができてしまうので、文化の違いがあることが盲点になってしまって、

「サンキューじゃねーだろ、ソーリーだろ」

などと思ってしまうのでしまっていました、カナダに来たばかりの頃は。

サンキューでいいんですよ、そこは。




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