May 19, 2018

差別、差別と言うなかれ






今回は特別英語のフレーズというわけではないのですが、英語圏での生活の験談から感じたことを書こうと思います。

昔は海外に住む人も多くなかったし一般人が発信する手段も無かったので海外経験の話は書籍化されてよく読まれていたようだけど、今は旅行も留学も手軽になったしネットのおかげで個人も発信できるようになったので経験談をお金に換えるチャンスを逃しましたが、とりあえず読んでくれたらうれしいです(なんて前置き)。


留学中の差別


「カナダで留学しましたが差別を感じたことは一度もありませんでした」
と言う人によくよく話を聞いてみると、滞在先はバンクーバーやトロントなど日本人が珍しくない街で、さらに期間も半年や1年の短期滞在とのこと。特に学生であれば、基本的に決まった人(そしてほとんどが特に学校関係者など理解のある人)としか会わないでしょう。

でもどこへ行っても白人しかいないような田舎町で、さらには留学生が行かないようなエリアであれば、職場でも、訪れた店でも、日本人どころかアジア人、いや、非白人なのは自分だけ、ということはしょっちゅう(そんなところが好きでこの街を選んだんですけどね)。

そんな外国人(日本人)慣れしていない人ばかりの街では、当然差別というか対応の違いのようなことはよくあります。

となると、それは差別と言うより単に日本での対応との違いにショックを受けている、またはちょっとキツい言い方をすると、過保護な日本を出て現実社会の厳しさに触れただけ、と言えるのではないでしょうか。


こんな差別を受けました



差別、というか、自分だけ対応を変えられて不快感を覚えたことを書き出してみます。

1.急に不愛想になる


レジでの精算あるあるなんですが、直前までにこやかにレジを打ち、なんなら世間話までしていた店員が、僕の番になると急にムスっとする。むしろ不機嫌になる。

こちらが頑張って愛想をふりまいて、ハロー、あ、はーい、クレジットカードで精算お願いしまーす、あ、ありがとうございまーす、とこちらから心を開いてもだめ。

そして僕の後ろの人の番になると、また笑顔再開(笑)。


2.透明人間


わりとよく無視されます。見えてないみたい。

僕は現在受付で働いているのですが、受付をスルーして奥にいる人に手を振ったり、挨拶しても無視されることもしばしば(邪魔されずに仕事に集中できるのでありがたいんですけどね)。

洋服を買いに行っても店員さんには見えないようです。白人のお客さんには話かけてるのにね(なので自由に商品が見れる)。

現地人の友達とレストランに行っても従業員には友達しか見えてないみたいで、本日のおすすめメニューとか日替わりメニューの説明の時にこちらを見てくれません(気を使わなくていいのでありがたいんですけど)。


3.話を最後まで聞いてもらえない


問い合わせとか返品とかお店に行って説明をすると、大抵最後まで聞いてもらえません。勝手に思い込みで早とちりされ、メールのやりとりなどを印刷したものを見せてなんとか理解してもらえるという、二度手間です。


仕事でもそうで、誰かの間違いを僕が直しているのに早とちりで勘違いされて僕のせいになります。なので誰かの筆跡が残るものやメールのプリントアウトなどの証拠が欠かせません(おかげで書類づくりが上手だと褒められます)。




それって本当に差別?



と、嫌な思い(?)もしていますが、果たして差別なんでしょうか。

自分でも、というか他の人も、日本でも、似たような事誰でもしているのよって少女Aさんも言っています。そうよ誰もが同じことしてるわ、ってミポリンも歌ってます、可愛い顔して。

(注:昭和歌謡の話です)

1.インセンティブのない接客業なんてそんなもん


チップやコミッションなどの歩合制ではない所では、愛想よくする意味がありません。日本の経営者が異常なぐらい固定給で過剰なサービスを従業員に強いているだけで、最低賃金で身も心もクタクタな従業員に鞭を打って笑顔を強いるのは酷なこと。自分もそこで働けばそうなります(今まさにそう)。

カナダに来て数年しか経っていないような外国人の片言の英語を理解したり、普通に言っても何回も聞き返されたり…と、もし自分が外国人の多い店で安い時給で何度も同じ質問されたり聞き返されたりしたら…同情します。


失礼な店員に当たってしまったときは、
「かわいそうな人。お疲れ様。」
としか思わなくなりました。


2.職業に貴賎はある


上記の「かわいそうな人達」と思う話にも通じていますが、カナダというか英語圏では職業差別のようなものがあります、残念ながら。

例えば言語学でも「上流階級の英語」「労働階級の英語」など区別されていたり、コメディーでもに登場人物がウエイトレスの仕事を自虐ネタにしたりします(「サーバー(給仕する人)」などではなく性差別のある「ウエイトレス」という言葉を自虐的に使ったりする)。

そして「職業に貴賎は無い」と言う言葉について。

サーバーだって立派な仕事です、〇〇さんはパートなのにお店の顔という意識を持ってすばらしい、××さんのテーブル拭きは職人技で他の人とは違う、など、どんな仕事も極めることが出来る、と本人も周りも言いがちな風潮が日本にはあります。

ですが、英語圏ではそれはパートの給料しか払わず正社員、下手すると役職者なみに働かせるという、倫理的にアウトな思想の裏返し。

そして英語圏では年齢問わずいつでも大学や専門学校に戻り易い風潮にあるので、ウエイトレスがいやなら資格でもとって転職すれば?という、本人の意思で変えられることなので、ウエイトレスを見下したような発言をするのは差別ではなく個人の意見という風潮です。

※もちろん、専門学校でホスピタリティーを学んでホテル・レストラン業界で働くプロフェッショナルもいるので、必ずしもサーバーが貧困層の職業と言うわけではありませんよ(最近自虐的なウエイトレスが出てくるアメリカのテレビコメディーを見たので例として使ったまでですw)

人種差別や性別差別は良くないこととされ、少しでも差別的な発言をすると野蛮人かのような扱いをされてしまうなど敏感ですが、こと職業となると鈍感なようです。多分、自分でどうしようもないことは差別の対象としないが、自分の努力でなんとかなる職業はその限りでないということなんでしょう。

実際、英語圏では医者以外でなくても博士課程を修了している人はMr/MsでなくDrを付けたり、職業で上下関係が簡単に生まれます。

日本では、お客様の呼び名は〇〇様以外にないし、庶民の店の代表であるコンビニでさえ「お客様は神様」の精神がまかり通っているし、客として過保護に扱われているのでカナダに来てスーパーマーケットで一流ホテル並みの接客を受けられないことに対して「差別だ」と言っているみたいなものだと思います。

ぜんぜん話がまとまりませんが(笑)、要は、庶民の店で人種差別的な接客態度をされても、彼らのレベルが低いだけなので気にすんな、ってことです。

3.機嫌が悪かっただけ


若くて清潔感がある美男美女はどこへ行ってもちやほやされますよね。別に差別される人がブサイクだと言っているわけではないのですが(笑)、もしあなたが、たまたま担当者がハッとするほどの好みの顔(とか体)だったら、きっと担当者はニヤニヤはしないまでもツンツンしたりはしないでしょう。

逆に美男美女だと嫉妬からムスっとされてしまうこともありますよね、接客業の皆様?

そう、留学生が「無視された、差別だ」と言っているのは、日本から来た最新ファッション・ヘアメイクの小ぎれいな若者に嫉妬している、それだけなのかもしれません。

あと、単に機嫌が悪かったとか虫の居所が悪かったとか、それだけなのかもしれません。上で述べたように、「感じの良い対応」は料金に含まれていませんので。


4.他人種は同じに見えてしまう効果と同じことの繰り返しにうんざりしただけ


心理学で the other race effect という他の人種の人は誰もが同じ顔に見えてしまうという効果があります。留学生が良く来る店とか部署の担当をしている人は、毎日同じような人の同じような質問を受けてうんざりしてしまうんでしょう。

仕事だとしても、人間だもの。

話を全部聞く前に、「はいはい、また同じ質問ね」と早とちりして勘違いされてしまうのも仕方がない。

5.あやしい外国人に警戒するのは当たり前


団体でうるさい中国人留学生、出稼ぎに来ているタイ人、香辛料の香りのきついインド人、フィリピンパブ勤務のフィリピーナ…皆さん、日本人のお客さん同様、親切丁寧に対応していますか…?

同じ在日外国人でも白人の英会話講師には生活の手助けをしたり、食べ物のおすそ分けをしたり、ボランティアで日本の文化や言葉を教えたりするのに、出稼ぎの中東や東南アジアの人達には怪訝な顔で対応している人、少なくないと思います。

残念ながら、一般の日本人留学生は、カナダでは日本における出稼ぎの東南アジア人と同じ立ち位置のようです。同じカナダに滞在中の留学生でも、ヨーロッパからの学生たちは違う体験をしてると思います。


それから、そもそもあやしくない外国人でも、カナダ国籍または永住権保持者しか認められないこともあるので、それを理由に断られたのを人種差別だと言うのは違うと思います。

人種差別といっても、その国で生まれ育った人が受ける差別と、よそから来た外国人(国籍取得どころか移民すらしていない留学生)が母国にいる時と違う対応をされることは、ちょっと違うと思います。

6.世の中道徳の教科書通りじゃない


未だにタバコを吸う人もいるし、吸殻を道端に捨てる人もいる。
ポイ捨てはだめ、絶対。だけどいるよね、ポイ捨てする人。

差別もだめ、絶対。だけどまだいる、差別する人。

一番差別と対極にある人は、組織行動学の教科書の言葉を借りると
white able-bodied heterosexual men
 (白人で、健常者で、異性愛者の男性)

これはもう、しょーがない。




まとめ:文句は市民になってから




差別は絶対よくないけれど、期間限定の滞在で現地の人と同じように扱ってもらおうとするのはちょっと無理があると思います。

日本でも外国人にはそれなりの対応をしているはず。日本語がわからないと決めつけたり、「外国人お断り」の看板を掲げたり。

でも日本に帰化したのに外国人扱いをするとか、生まれも育ちも日本なのにハーフで見た目が外国人風なだけで外国人扱いしてしまうのは良くないことです。

それと同じで、移民したのに、またはその国の国籍を取得したのによそ者扱いの態度をするのは歓迎されることではありません。

でも、頼まれてもいないのにその街に足を踏み入れて、つたない英語(TOEIC満点なんて関係ない)で文化的な勘違い(言葉を100%理解していてもお互い誤解していることは多い)でトラブルを巻き起こし続けている留学生が「差別だ」って言うのは、ちょっと違う気がします。



10年ぐらい住むと、短期滞在者が言う差別の経験談は、日本の文化や習慣を基準に「日本と違う」と言っているだけの話に聞こえてきます。ってひょっとして麻痺!?



余談



余談ですが、差別主義のことを、~ism と言います。

人種(race)差別 racism
性(sex)差別 sexism
年齢(age)差別 ageism

ということは…

おしゃれイズム=おしゃれ差別?
コムサイムズ=コムサ差別?


どんな差別なんでしょうw



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