August 13, 2020

静かに!Be Quiet! とは何様だ

 





■誰でも知ってる Be Quiet


「『静かに!』を英語で言うと何ですか」
という質問をしたら、おそらく公立中学で英語を勉強した多くの日本人は
「Be quiet」
と言うんじゃないかと思います。

アイドルグループの歌にも Be quiet という歌詞が出て来てそう思いました。

それぐらい基本的な表現ですよね、ビー・クワイエットって。

でもこれ、実は割と横柄に聞こえてしまう表現で、ちょっと気を付けた方がいいなと思います。




■リアルな英語はもっと丁寧?


ニュージーランドで小さな子供のいる家庭でホームステイをした時にあることに気付きました。

親が子に丁寧な言葉遣いをするのです。
please をつけて注意をして、子供が聞き入れたら thank you と言っていました。

これはその家庭だけではなく、近所の小学校にボランティアとして運動会のお手伝いをしたときも、先生たちもそう発言していたのを見ました。

もちろん子供が危険な事をやりはじめた時などに
「やめなさい!」
と大声で叱る時は別ですが、それ以外の普段の注意は丁寧なのです。

子供が乱暴な口のきき方をしないような教育なのかもしれません。

「静かに!」と言う場合、Be quiet ではなく
「Quiet, please」 と言って、静かになったら「Thank you!」と言うような感じです。




■中学校で Be Quiet


帰国後は英語教育関連の会社に就職したのですが、業務の一環として小中学校の授業見学がありました。

ある中学校での授業見学のこと。その時は市主催の研究授業で見学者も多く、生徒のみなさんがちょっとざわついていました(ごめんね大勢で押しかけて)。

その日は英語で英語を教えるという試みだったので授業をしていた先生は英語で「静かに!」と言ったわけですが、それが
「Be quiet!」
でした。

ちょっとビックリしました。そこまで強く言わなくても…と。先生にそんなつもりは無かったのかもしれないけど、そこまで威張らなくても良くない?みたいな印象を受けました。

とは言っても僕はネイティブではないので気のせいかと思っていましたが、授業後のディスカッションで同じく授業を見学していたオーストラリア人が感想を求められたときに

「なんていうか…その…先生は大変お厳しくていらっしゃる(意訳)」

みたいなことを言葉を選んで言っていました。直接的な表現にびっくりしたような感じでした。




■上下関係の文化ゆえ気付かないパワハラ?


多くの人が Be quiet と言いがちなのは、そもそも日本語の「静かにしなさい!」が頭に浮かぶからなんですよね。

静かにしなさい!と言って良い文化なんです。

でも英語圏では、最近からなのか昔からなのかはわかりませんが、怒鳴ったり大声で叱ったりすることは暴力として扱われたり、少なくとも分別のある大人がすることではないとされる風潮があります。

また、普段は皆さん意識していないかもしれませんが、日本では年上には敬語を使うなど年齢による上下関係が特に厳しくもあります。

一方英語圏では、子育ての方針なのか、はたまた人権に対する意識なのか、子供達にも一人前の人間として平等に扱おうというような風潮もあります。

何が言いたいかと言うと、一方的に「静かに!」と怒鳴るようなシチュエーションが無いようなのです。

日本では年上の人が年下の人に怒鳴ったり注意するのは当たり前のことですが、英語圏では、少なくてもカナダでは、誰かに言ったりしたらそれはもう喧嘩です。セキュリティー(ガードマン)を呼ばれるレべル。

Be quiet! 静かにしなさい!

という「命令」よりは、同じ大声を出すのでも

Listen up, people!
Please listen!
Can I have your attention!
(この辺の表現あんまり自信ないですがw)

のように「お願い」をするようなことが多いと思います。



今回のこの中学校の先生の例においては、あえて教科書に出て来る表現を使った説も僕の中ではあるんですけどね。


研究授業って先生方は前から準備されるらしいから、おそらくそうかな。








No comments:
Post a Comment