February 28, 2022

日本人が話すイギリス英語

Photo by pixabay.com






イギリス英語が好きな人


英語の勉強を始めた理由がイギリスの小説や映画やドラマが好きになったから、なんて人もいると思います。

日本ではアメリカ英語に触れることが多いので、イギリス(やイギリス英語)が好きな人は、意識してイギリス式の言い回しや発音を覚えてるみたいです。

たとえば I can't をアイキャントじゃなくてアイカーンツと言うとか、「電話する」を I call youじゃなくて I ring you と言うとか。getting ならゲリンじゃなくてゲチン。

僕は日本で英語を使う会社で働いていたことがありますが、短期留学とか、いえ、たとえ旅行でも、イギリスに行ったことのある人は帰国後はさらにこの傾向が強いと思います。

日本育ちで所々日本で覚えたであろう英語(アメリカの表現)が出てきたり、全体的にはイギリスどころかアメリカでもない日本語訛りのカタコト英語で、申し訳ないけど「なんちゃってイギリス英語」だなぁなんて思って見てました。


なぜ彼女はオーストラリア人の真似をしてるの?


カナダに来てからの話。

前の職場での話ですが、来客を担当者まで案内したことがありました。

当時の職場はあまり来客はなく、問い合わせはメールや電話が多かったのですが、どうしてもその方は実際に人と会って話を聞きたいとのこと。

日本人女性でしたが切羽詰まっているというか殺気立っている感じで、僕が日本人だろうが関係ないと言わんばかりに英語で用件を言われたのですぐ担当者に取り次いだのでした。

彼女は前述の「イギリス(やオーストラリアやニュージーランド)の英語を敢えて習得しようとしている人」でした。

対応を終えた担当者(カナダ人)が僕の所まで来てうんざりしたように一言。

「なぜ彼女はオーストラリア人の真似をしているの?」

日本人が頑張って話したイギリス英語がオーストラリア英語に聞こえたのか、それともこの女性はオーストラリアに留学していたのかわかりませんが、この担当者にはそう聞こえたのでしょう。


ワイもそうやった


実は僕も同じようなことをしていました。

今は知りませんが僕が中学・高校の頃の教科書はアメリカ英語で、大人になってから入会した英会話スクールでもそうでした。

洋画と言えばハリウッド映画のことで、アメリカの歌手もたくさん日本の歌番組に出ていました。

そんななか初めて行った国がニュージーランドでイギリス英語の国だったので、「日本で耳にしていた英語(今思えば米語)と全然違う」「本場ではこういうのか!」と衝撃を受け、必死で覚えようとしました。

※ネイティブから「どこで英語を勉強したの?ああ、やっぱりね」と言われたい魂胆もありましたけどね。

それがカナダに来て、仲良くなった人に「なぜそんな気取った話し方をしているの?」と言われて気づきました。

どう聞いても英語のネイティブではないのに、ちょいちょいイギリス英語を挟んでくるのが気になったようです。


エセ関西弁やん


つまりこれは、すっかり関西弁をマスターした気で話している非関西人を見るイタさなんだと思います。

まだ日本で働いていた頃、取引先にもいました。たった4年間大学で関西に居ただけで、すっかり関西弁が身についてしもうたって言ってた人。

当時はまだネットもなく、関東の人が関西のお笑いに影響されてツッコミ用語(「なんでやねん」など)を言う時代でもありません。

普段は標準語なのに、まじめな話をしているときちょいちょい関西弁を挟んできて「ワイ関西に居たんやで」のアピールをしてくるんです。

関西育ちでもないのに、関西に縁もゆかりもない僕に向かって、この関東の片田舎で、なんで関西弁(しかも関東民でもわかるエセ関西弁)つこーてんねんっちゅうー話や!


先述のカナダ人スタッフがイラっとしていたのも、おそらく同じような理由だったんじゃないかと思います。

ネイティブの話す英語ではなく明らかにイギリス育ちではないとわかるのに(むしろ明らかに日本人の英語)、カナダの街でカナダ人に向かって、なんで無理してイギリス英語つこーてんねん!


「関西の大学に行ってたんや」や「イギリスで語学留学してたんやで」もいいけど、用件があるときはもっと地味にね。


No comments:
Post a Comment