October 9, 2020

これが令和のマーケティング

 





最近、通販で買った所からダイレクトメール(以下DM)がバンバン届きます。

DMといえばハガキでしたが、最近はメールが主流になりましたね。

セールやキャンペーンのお知らせ以外にも、具体的な商品の広告がメールで紹介される時代。21世紀ですなぁ。

たとえばアマゾン。とりあえず商品を検索して、ひとしきり迷って、また後で考えようとして忘れていた商品が、関連商品とともにDMとして送られてくる。

そのDMを見ると、

「そうそう、そういえばそろそろ◯◯買わなきゃなって思ってたんだっけ」

と、忘れかけていたことを思い出したりします。





僕も昔は DM を出す仕事をしていました。

といっても大昔なのでハガキです。

アパレルブランドで働いていたので、お得意様名簿を元に、新シーズンの立ち上がりだとか、キャンペーンだとか、セールなどをお知らせしてました。

DM に限りませんが、当時は接客業で大事なこととして、

  • お客様のお名前を覚えろ
  • 自分の名前をお客様に覚えてもらえ
  • 印象に残る接客を
  • マニュアルを超えたサービスを
  • 個人個人に合わせたサービスを
のようなことがどこの研修でも言われていたので、DM は当然手書きでした。

接客マナー界隈では、お客様を一人一人覚えていないと書けないようなことを書くのが良いとされていたので、「◯◯様こんにちは」とお客様の名前を書くのはもちろん、「先月お買い上げいただいた◯色の◯◯に合うような◯◯が入荷しました」と必死で覚えてますアピールをしていました。もちろん自分のフルネームを添えて。




毎日のようにスマホに届くDM ですが、もしこれが、個人名の販売員さんからの顔が見えるDMだったら…。

もしこの頻度で手書きのハガキが来たら…。

または一斉メールではない、自分と店員さんしか知りえない(※)、思いの詰まったメールが来たら…。

※接客時に話した他愛の無い話、たとえば近々友人の結婚式がある(だから服を買いに来た)、通勤は電車(だからこの冬はコートを買う予定)、など

きっと店員さんと自分という一対一のプレッシャーを感じてしまって、検討するしない以前に、距離を置いてしまうと思います。



そもそもオンラインショッピングは、

  • 店員のプレッシャーを感じることもなく、
  • 家にいながら
  • 閉店時間を気にすることもなく
  • 比較検討が容易な

スマホ1つで利用できるサービス。

根性論、やりがい詐取、社畜…など、昭和の害悪を一掃できる、今の時代にピッタリだと思います。


そういえば、昔は個人情報保護法などなかったので、DM書きは家でやらされました…。つまり本名、住所、電話番号などの個人情報が書いてあるお得意様名簿を店員が自宅に持ち帰っていたのです。通勤電車に置き忘れてしまう恐れもあるのに…恐ろしい。

在宅勤務扱いになるわけでもなく、勤務時間外勤務でした。投函日に間に合わせるために帰宅後に疲れている中書きましたが、前日が公休日だと

「明日は休みだからゆっくり書ける、ラッキー!」

とさえ思っていました…洗脳されてました(汗)。




店員の執念(?)や、客の店に対する義理人情を利用するのではなく、機械が閲覧履歴などから勝手に個人個人に合わせた内容のメールを送るという、ドライで、でも痒い所に手が届く、まさに令和の時代のマーケティングだなと思いました。



ちょっと前までは「まさに21世紀」などと言って近未来感を出していましたが、21世紀になってもう20年経つんですね(正確には19年?)。


21世紀になって20年というパワーワード…。


“令和のマーケティング”ではなく、“平成時代に勤めていた会社の恨み”になっちゃいましたね。テヘペロ。


Photo by pixabay.com

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