■ ネイティブと話していると、イライラされることってあるよね?
仕事で社外の人と話す機会がありました。
わかりやすくするためにフェイクを交えて、仕事の手順書をアウトソーシングで依頼したので業者に会った、としましょう。
手順書を作るために、業者がまずは従業員の話をヒアリングすることになった、というシチュエーションを想像してください。
業者は社内の実務は知りません。
ウチら従業員が業者に手順を説明しなければいけないのであって、業者が業務改善のためのアドバイスは当然しません、というか出来ません。
ただ、せっかく手順書を作るなら、改善できるところがあるならした方が良くない?
というのが全員が無意識に考えていることなのか、現在最後に行っている工程を最初に持って来た方が良くね?みたいな意見交換的な流れにもなってしまうのです。
そこでこれから手順書を作成する業者さんに向かって、第四章を第一章に持ってくることは出来ますか?的な質問が出たりします。
業者としては実務には関わっていませんから、当然「あなた方の業務ですから、私共には回答できかねます」的な返事になります。
でもその言い方!
毎回こちらが言い終わる前に食い気味に「あなた方の仕事です」とギャーギャー言われてしまっていました。
■ ただでさえノンネイティブは怒られがちなのに
僕は数人のうちの1人だったので、先にぎゃーぎゃ―言われていた人達を見ていたので、控えめにしていました。
質問はありますか?と聞かれたので、先に答えた人たちを真似して「良いと思います。」「良い感じです」みたいな感想(Sounds good, とか Looks good)を言ったところ、
あなた方のための手順書を作ってるんですよ?あなた方が使うんですよ?
たいに怒られました…。上司でもないのに。
なんか新人教育にくるマナー講師みたいの。
カッチーンと来たので(笑)、次回の打ち合わせでは、先生が生徒のレポートを評価するような、大企業が下請けの会社の報告に答えるような、デパートの大口の客が立場の弱い外商部に購入の意思をちらつかせるような、そんな口のきき方をしてやる!とずっと考えていた。
提示された手順書を、「That's correct」と「正しい」「よろしい」みたいなニュアンスで言ってやる、と心に誓いました…。
■ 大人として対応してみる
そして二回目の聞き取りの日。
みんなコテンパンにやられてるじゃないですか。
業者は何かコメントを求めるくせに質問をすると「それはテーマからずれている」とか「あなたの業務なんだから私に質問するのは間違いとか」言いやがる…。
そして僕の番になりました。コメントを求められたのです。
もちろん準備していた上から目線作戦を実施し、いい感じの結果を収めつつありました。
ところが同僚のコメントに僕がコメント返しをしたときです。
僕が言い終わるまえに手順について話を被せてきたではないですか!
うちらの業務なのに!ってか僕まだ話し終わってないのに!
そこで僕もさらに相手が話している最中なのに
「何もあなたにそれをお願いしていませんよ、◯◯さん。ただのコメントですよ、落ち着いてください」
と言ってみました。
※「食い気味」とか「被せ気味」とか言いたいだけ疑惑..
■ 「落ち着いてください」は魔法の言葉
...話を盛りました。「落ち着いて」とは言ってません。
でも。敢えて、わざと、意識して、担当者のファーストネームを呼び、落ち着いて、目を覚まして、冷静になって、という口調で言いました(読者のみなさんに伝われ)。
落ち着いて、というニュアンスで、
- この間そう言ったでしょ、マイケル。
- 何も今すぐやれって言ってませんよ、ナンシー。
- ただの個人的な感想ですよ、ブライアン。
と名前を最後につけると、諭すような雰囲気が出ると思いませんか?
これが効いたのか、なんと最後に口調について言い訳とお詫び。
数回のヒアリングの中で、そんなの初めてでした。
ちょっと話が逸れますが、英語に自信がないと、会話中に相手側が優勢になり、主導権を取られてしまうことがあります。
私の英語が悪いせいで…という態度だと、ますます相手が優勢になります。
英語が上手じゃないから、日本人だから、みたいなことは気にせずに、
- お前が聞き取れ。
- アクセントのある英語が聞き取れないの?この21世紀に?
- 訛りをモノマネするのは侮辱なんだけど知らないの?お里が知れるわ。
というような態度で毅然としているぐらいがちょうど良いのです。
でもいきなりそんな自信はつかないし、下手すると単に感じ悪い人になってしまいますよね。
そこで役に立つのが「落ち着いて」と言う側に立つことです。
なめられている、バカにされている、と感じたら、オセロで角や端に石を置くタイミングを狙うように、「落ち着いて下さい」と言うタイミングを狙いましょう。
「落ち着いてください」と言う側になったら形勢逆転です。
日本語でそんなことを言ったら火に油かもしれませんが、英語圏では興奮して我を忘れることは恥ずかしいこと。
そして「落ち着いてください」は言ったもん勝ち。
先方は実は落ち着いていても、「落ち着いて下さい」と言われると、周りから落ち着いていないように見えてしまうマジックなのです。
というわけで、日本語でも外国語でも、常に冷静に会話をすることを人生の目標にしようと思います(知らんがな)。
Photo by pixabay.com
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