■ 反論しないことに決めた
職場で突っかかってくる人がいるんです。
日本風に言えば後輩(入社が僕より後)ですが、ウチの社内では同僚と位置づけされている人です。
カナダでの上下関係は、年齢や在籍年数ではなく、役職です。自分と同じ役職で入って来たら、例え昨日入社した人でも同じ立場です。
そもそも日本のような先輩がエライ!年上がエライ!のような文化も無く、英語も敬語はないと言っても良い言語ですから、忠告しても聞いてくれません。
はっきり言ってしまうと、僕のような外国(日本)からやってきた、片言の英語を話すようなスタッフは、新人からなめられてしまいがちです。
まったく僕に関係のない業務でも“念のため”と言って僕の名前を入れられたりしてしまったりするのです。後々こちらにも被害が回ってきそうなので、それは困ると反論したりしていましたが、ふと、反論するのはやめてサンキューとだけ言ってみることにしました。
在宅勤務になって、長い反論をするのが面倒になったのです(笑)。
■ 「そうですよね」から返事を始めてみよう
話は変わりますが、大昔、デパートのテナントで販売の仕事をしていたときの話です。
よく接客されると買う気がなくなるなんて話を聞きますが、実際に接客をしなくても売れるのは低価格の商品の単品買いのみで、やっぱり接客をしないと客単価は上がりませんでした。
それでも接客をされると買う気がなくなるという読者の方もいらっしゃると思いますが、いずれにしても接客をしないと自社の上司だけではなく出店先のデパートの社員さん(つまり取引先)にまで怒られたので、当時は接客しないという選択肢はありませんでした。
そこで、どちらにせよ接客をしなければいけないなら、売り上げを伸ばすにはどう接客するかを常に考えていましたが、あることに気付きました。
自分とお客様が共感したときに、商品が売れるということ。
「いや、でも、お客様…」とか「そんなことないですよ~」とか、反論している時にはあまり売れなかったんです。説得すればするほど、お客様がドン引きしてしまっていました。
当時部下を指導する立場でしたので、新人スタッフでもこの“共感”を導き出すどうすれば良いのか考えた結果、否定されても「そうですよね」からセールストークを始めよう、ということを思いつきました。
例えば
派手な服をお勧めして「こんな派手なの自分のまわりじゃ誰も着てない」と言われたら
「そうですよね。だから周りの人と被りづらいと思います。エへッ。」
Tシャツの重ね着をお勧めして「2枚着るのは暑い」と言われたら、
「そうですよね、エアコンの効いてない場所だったら汗だくになりますもんね。Tシャツは『またあのTシャツ』って覚えられがちだから洗い替えに何枚あっても良いですよ?デュフフ。」
白いカットソーをお勧めしていて、「白は汚れが目立つからいやだ」と言われたら
「そうですよね、なので、こちらの黒のカーディガンを上に羽織ると…(と言って別の商品もどさくさに紛れてお勧めw)」。
こんなふうに、お客様を否定せず、こちらも無駄に疲労せず(反論してからの説得は疲れる)、北風と太陽の太陽のようにじんわりお買い上げいただきましょう、という作戦に出ました。
まずは「そうですよね」と言ってしまえば、あとから言葉が浮かんできたものです。
…って多分この話、過去記事でも書いた。
■ 懸念?犯人は泳がせてから現行犯逮捕!
さて、現在の話に戻ります。
職場の人間関係を良好に保つため、アパレル時代を思い出して、何を言われても「共感(しているフリ)」を打ち出すことにしました。
僕に関係のない業務なのに逐一新着状況を報告してきたときも、きっと後で押し付ける魂胆じゃねーかと思っても、そうですよね、忙しいのにわざわざ報告ありがとね、のつもりで「サンキュー(と一言だけ)」。
僕の担当外の顧客へのメールにCCで僕のアドレスを入れたときも、クレームから責任回避する魂胆か、と思いつつ、顧客にメールをしてくれてありがとね、のつもりで「サンキュー(と一言だけ)」。
ただ、このままでは、同僚も、顧客も、僕の担当外の仕事まで僕の責任だという認識になってしまうという懸念が残ります。
きっちり「これはあなたの仕事ですよ。補助が必要ならまずは上司に相談してください。」と今までは説明していました。
でも。しかし。懸念だけでは上司は動いてくれません。被害が無いのに被害届は出せません。
というわけで、こちらに被害が出るまで泳がせておくことにしました☆
というのも、毎回しておかないと後で困ることをさんざんお願いしていたのにも関わらずしてくれなかったので僕がすんごい量の仕事をする羽目になってしまったとき、まずは上司に相談してみたら、僕がその人の後始末をしなくても良いという話になったのです。
海外で働く日本人のブログを見ると現地の同僚から仕事を押し付けられるというのはあるあるのようですが、とりあえず今年は反論はやめて、上辺だけでも共感して、直接対決を避けようと思います。
Photo by pixabay.com
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