英文や和文の添削を引き受ける事がたまにあります。
日本人から英文を書いたので見て欲しいとか、外国人から和文を書いたので見て欲しいとか。
大抵はメールで受け取ってそれを後ほど返信するような、1往復のメールの簡単な依頼だと思われているようなのですが、実はそんなに簡単ではありません。
なぜならば書き手の言いたいことがわからないからです。
僕も日本人なので日本人が書いたものなら言わんとしていることが分からないわけではないですが、主語が曖昧だったり前後関係が繋がっていなかったりすると話が見えないことがあるのです。
例えば初心者レベルの方が I was scary と書いた場合、文脈によってはそれが I was scared と言いたかったのか、それとも It was scary と言いたかったのか、本人に聞かないとわかりません。
英語圏の人が書いた日本語も、僕は英語学習歴二十年なので理解できないわけではありません。読みながら「英語だとそういう発想なんだよね」と思ったりします。それでもやっぱり書いた本人に聞かないと分からないことが無いわけではありません。
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僕が通っていたカナダの大学では学生が無料で利用できる添削指導のサービスがありましたが、それはあくまでも“指導”であって、指導員と一対一で文法ミスなどを指摘してもらうものでした。
しかも大学内のサービスなので「論文は自分で書かなければいけない」という大前提がありますから、指導員はあくまでも指摘するだけで、間違った箇所の言い換えは自分で考えなければいけませんでした。
これを社会人風に言い換えると、顧客とのすり合わせのようなものです:
指導員:「この箇所が意味が通じない」
学生:「◯◯が△△だ、と言いたいんですけど…」
指導員:「じゃあ、そう書いたら?」
学生:「そっか!」
僕が誰かの作文の添削をするときも、こんな風に書き手と同席して、本人の言いたいことを確認しながらすり合わせが出来れば気楽に出来るんですけどね。本人にとっても収穫があると思います。
添削して送り返すのがこんなに大変だとは、学習者側の頃は知りませんでした。
通信教育にしても、スクール等で提出された課題にしても、受講者からの英作文を受け取って、添削をしている講師の方々はすごいんですね。改めて尊敬します。
ネイティブ講師に添削されて返却された物がイマイチ自分が言いたいことと違ってしまっているのは仕方がないことだと今になっては思います。
英日どちらも理解していれば言わんとしていることを添削時に“意訳”できますが、日本語がわからない英語講師は添削する時の材料が書かれた物しかありませんからね。
まとめ:
書き手とやりとりしないで添削するのはむずかしい!
Photo by pixabay.com
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