提出された書類に目を通して、不備が無ければ処理係へ回し、不備があれば申請者に返却するような仕事をしています。
受理できるか、それとも却下か、を決めているわけです。
とはいえこちらで自分勝手に却下などせずに、受理できなさそうな場合は上司に回して判断を委ねるんですけどね。
(要はそんな責任のある立場にない)
何を基準に受理できるかを判断しているかというと、規定や規約、それから申請書の裏面にある記入例などです。
ところが。
テストのように点数で合否を決められれば良いのですが、大げさに言えば裁判のように全体の話を聞いて、背景も考えて、必要であれば同僚の意見も聞いて、それで判断を下すのです。
店頭販売に例えて言うなら、「お客様都合の返品はお受けできません」という規約があるのに返品の依頼があった場合です。
何をもってしてお客様都合というのか、特にお客様がこれは自分の都合では無いと言っている場合、線引きが難しいこともありますよね。
社内マニュアルがあっても、お客様が100人いたら返品の理由もレシートの裏面の返品ポリシーの解釈も100通りあるわけで、実際には現場のスタッフが判断することになると思います。
長年働いていればマニュアルも規定も規約も頭に入っているし、過去に経験したたくさんのケーススタディーもあるので判断にはそれほど困りません。
問題は新人に教えるです。
「こういう申請があったんですけど、受理できますか?」
と言われたとき。
社内マニュアルの1ページ目によると受理できそうな感じ、でも2ページ目を読むと出来なさそうな感じでもある。
口頭でざっと説明されたぐらいでは判断できかねます。
今ここでイエスかノーか言える問題ではなく、実際のレシートその他、いろいろ判断材料を見て、マニュアルや規約を参考にして、過去の経験や一般常識を当てはめて、裁判官にでもなったつもりでジャッジしなければいけません。
そんな時に、質問をしてきた新人にはこんなことが言えます。
Judgement calls.
It's a judgement call など文章で言えるのかもしれませんが、僕の短いビジネス英語人生ではたいてい Judgement calls. とだけ言わているように思えます。
はずかしながら、最近まで、judgmeent が主語で call が動詞だと思っていました。
「場合によるね。」と言うのを 「It depends.」と言うみたいに、1つの文章かと思っていました。
が、a judgement call という名詞のようですね。
おそるべし耳コピ生活。
在宅勤務になって、チャットでのコミュニケーションが増え、曖昧なままではいられなくなってようやくネットで検索したのでした。
使うタイミングとしては
- It's up to you.(あなた次第ですよ)
- It depends. (場合によります)
と同じような場面で使えると思うのですが、
- up to you (あなた次第)だと文字通り100%あなた次第になってしまい、上記の例だと「お客様に返金されるかはあなた次第♥」のような公私混同、独裁政治になってややこしいことになってしまいます。
- it depends の場合はまるでその新人さんが何も判断材料に目を通していない印象になってしまいます。
というわけで、意識高い系のみなさんが、職場で後輩に「こんなのは受理しても良いんですか」みたいな質問をされて、
もうそれは具体的に参照できるルールがありませんからあなたが常識的に考えてジャッジしないといけませんね。
みたいなことを言いたいシチュエーションがあったら言ってみてください。
ジャッジメント・コール、と。
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