May 31, 2021

英語では分からないときは分からないと言っていい





職場で自分より後から入社してきた人に業務を教えることがあります。

カナダでは、というかおそらく英語圏では、あまり先輩・後輩という概念がありません。

シニオリ seniority という、入社が早い順に有休の日付を選べるなどの優先権みたいのはありますが、基本的に同じ役職であれば同じ立場という考えです。

それから日本と違い、年齢によって上下関係を作るのはエイジズム (ageism) といってれっきとした差別行為とされます。男ってだけで仕事が与えられる男尊女卑が許されないのと一緒で、年上・先輩ってだけで威張っている態度を取るのも問題行為とされます。

そもそも儒教的な、年上の言う事は絶対であるような考え方もないし、相手の年齢によって敬語を使ったり使わなかったり、敬称を「くん」にしたり「さん」にしたりすることもないので、役職が同じなら立場も対等です。

というわけでうちの職場では、新入社員でも堂々としていて、先輩に媚びへつらうこともありません。





というわけで同僚に業務を教えることがありますが、新人でも教えてもらうことに対してペコペコする必要もなく堂々としていられるので、理解できなかった場合は

 I'm confused (ちょっと私混乱してます、みたいな意味)

とフツーに言われることがあります。

ネイティブ同士では悪気のない普通の言葉なのかもしませんが、僕はなんなムカつくんですよね、こう言われると。


なんかこちらの説明の仕方が悪いみたいな言われ方だし、本人の理解力の無さを棚に上げているようでカチンときます。



同僚(後輩)だけでなく、上司に僕がやっている業務を説明することもありますが、長年うちの会社に勤務してる上司はあまりそう言いません。

平社員がやる具体的な細かい業務は知らなくても、長年働いていると点と線が繋がってわかるのでしょう。

同じ上司でも、ヘッドハンティング的によそから上司として入社してきた人たちはよく I'm confused と言っていました。

僕と長く一緒に働いている人なら既に僕に難易度の高い業務を任せてくれた経験があったりして僕の能力を評価してくれている(と思う)のですが、初めて一緒に仕事をする人は僕をカタコト英語だけで判断するようで信用してくれません。

そのせいか「このシステムはこういうバグがある」みたいなことを言っても信じてくれなくて I'm confused (この場合“ちょっと言っている意味わかりません”)と言われたりしていました。



 I'm confused って、背景となる知識がないから confused しちゃうんですよね。

個人的にはわからない方が悪いと思います。

でも、うちの職場では決して教わる方が悪いとはならず、教える側が合わせるべきとなるので、日本と違って「わかりません」って言ったもん勝ちみたいなところがあるんですよね。

こちらは小学校4年生でもわかるような言葉で教えていて相手が学ぶ気が無いだけなのに I'm confused と言われた途端こちらの教え方が悪い事になっちゃう。

冤罪だよこりゃ。


でもこれ、職場でだけ経験したことだけでなく、日本の英会話スクールや、海外の語学学校で学んでいたときも感じていたんです。

英語の説明がわからないときに「わからない」と言うと、講師たちは「あ、ごめん、言い方が良くなかったかもしれないね」みたいなことをよく言ってくれました。

ホームステイでも、わからなかったら「わからない」と言ってね、と言われていました。


なので、わからなかったら「ちょっと言っている意味がわかりませーん (I'm confused)」って言うようにしています。

(結局自分も言うんかーい)


Photo by pixabay.com

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