February 19, 2018

英会話が通じない別の理由


話が噛み合わない?


僕は日本での社会人経験の後にカナダに移住したので、未だに考え方が日本人で、カナダ人のような考え方に慣れないとなぁと思っていました。

が、十数年に渡る「郷に入れば郷に従え」式のカナダ生活で、すっかりカナダの常識が自分の常識になってしまったようで、日本語で会話をしていても話がかみ合わないことがよくあります。

しかも、自分も相手も、話がかみ合ってないことに気付いていないのです。どちらも日本語が母国語で、語彙も豊富なのに。一字一句理解しているし、文脈も理解しているのに、です。



日本語ネイティブなのに…


どうやらその理由は、「前提の違い」のようです。

例えば「今日は8時間労働だった」と言っているときに、カナダ寄りの意見なら「フルタイムの仕事持ってると忙しいよねー」と8時間「も」働いたとなると思いますが、日本寄りの意見だと「残業なしだったんだ、よかったね」と8時間「しか」働かなかったという視点になり、大変だったと思っている人にねぎらいの言葉どころか真逆の言葉をかけてしまったりするのです。更に「8時間働いた」と言ってもカナダの場合「8時間拘束の7時間労働」の所が多いのに対し、日本だと拘束時間は8時間労働プラス休憩時間の所が多いので、お互い誤解したまま話を進めてしまいかねません。

…まあこれは例えなので実際に労働時間の話で困ったことはないんですけど(ないんかいw)。




価値観の違い


自分は大丈夫、異文化に理解ある、と思っていても、自分では気づかない部分で相手を否定してしまうのが価値観の恐ろしさ。


例えば、よくカナダ在住の日本人のブログにあるのが
「でた。カナダお得意の『担当者が不在でわかりません』」
という文句。

日本人なら「自分なら直接の担当じゃなくても把握しておく」とか、「自分が不在だと業務が回らないから休めない(だから有給休暇が取れない)」というのが当然で当たり前のことらしいのです、っていうか10年ぐらい前まで僕もそう思っていました、そう言えば。

でも、カナダに来て、部署で唯一の外国人スタッフとして、日本人であるメリットを一切生かさず(涙)現地採用としてカナダ人たちと働くこと十数年、すっかり僕も「担当者が不在でわかりません」に正当性を見出す人になってしまいました(笑)。

これのどこが間違ってるのかわからない。だって担当じゃないもん。その業務は job description に書いてないもん。権限がないこと実行できないもん。てかアンタ今日の今日じゃ対応できないでしょ普通。来週でもいいじゃん別に。人の命がかかってるわけじゃあるまいし。

とはいえ、カナダ人も不満のようです、この「担当者が不在でわかりません」という常套句。よく愚痴っているのを聞きます(笑)。



文化を知るべき!


日本語のネイティブ同士でも誤解があるのだから、外国人と話す時はもっと誤解してるんでしょうね、気付かないだけで。

例えばある日本人が、普段は「鼻ぺちゃなんて気にしないわ」なんて思っていても、いざアングロサクソンを目にしたら彫の深い顔に惚れ惚れして、

「鼻が高いですね(英語では鼻は『高い』ではなく『長い』)」

と誉め言葉として言ったつもりが、相手にはそう伝わらず逆の意味になってしまった(褒めるつもりがけなしてしまった)、なんてことも知らず知らずのうちにありそうです。


笑いのツボが違う人にジャンルの違うギャグを言っても通じない、って感じでしょうか。

それとも「『チョコミントのアイスを食べた』と喜んでインスタグラムに写真をアップしたらチョコミントは不味いものという認識の人に同情されてしまった」の方が伝わりますでしょうか。

…なんだか例を出し過ぎて話がまとまらなくなったので、この辺にしておきますね。
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