カナダの自宅にて。2019年12月撮影。
おじさんの思い出話。それと、今英語を勉強してる人はラッキーだよ、というお話。
紙の教科書で発音を学んでいた時代
この間、なぜか子供の頃、実家で見た英会話の本が、ふと脳裏によぎりました。誰が買ったのか、誰が使っていたのかはわかりません。誰かからもらったのかもしれません。
当時おそらく昭和50年代で、その時点で既にボロボロだったので、きっと昭和40年代の出版のものだったかもしれません。
表紙も覚えていませんが、破れていて既に無かったような気もします。広告も無く、純粋な教科書のようだったと記憶しています。髪質も悪く、カラーページも無かったように覚えています。
それの何が特徴的だったかというと、英文にカタカナで読み方が表記されていたのです。
例えば 「How are you?」には「ハウ アー ユー?」というように。
昭和の英語の音声教材
当時は音声教材といえばカセットテープぐらいしかなかったと思います。CDはまだ出現しておらず、音楽はレコードが主流でしたが英語の教材にはおそらく使われていなかったと思います。
磁気カードのような特殊な音声再生機器もありましたが、それは訪問販売や通信販売のようなセールスで購入する高価なもので、教育熱心なお金持ちの家ぐらいにしかありませんでした。
当時から洋画や海外ドラマはテレビで放映されていたと思いますが、二か国語放送の技術がテレビに取り入れられる前か、ステレオ放送を受信できる機器が普及する前だったと思います。少なくともうちは当時はモノラルテレビでした。ビデオデッキも普及する前だったと思いますし、あったとしても何十万円もする高級品でうちにはありませんでした。
ラジオでも日本国内では英語の番組もないですし、NHKのラジオ英会話はあったと思いますが番組を録音するのにはラジオ番組が録音できるラジカセが必要だったし(たしかラジカセによってはラジオ番組が録音できなかったような気が)、録音できるとしても録音タイマーなどない時代でしたから、放送時間にしっかり聞いていなけれがいけなかったのでした。
要するにネイティブスピーカーの発音する英語をいつでも耳にすることは一般的な日本の家庭では難しいかったのです。
電子辞書とDVDの出現
それでも90年代後半は英語学習が大分簡単になったと言われていたんですよ。
- 紙の辞書から電子辞書へ。中には発音も聴ける機種も。
- DVDはビデオテープと違い字幕も音声も選べる。
- CDは頭出しや巻き戻しが簡単。
- MDはフレーズだけリピート再生できる機種も。
- インターネットで世界のニュースが読める。
- インターネットで文通がメールでできる。
ネイティブスピーカーの音声がいつでも聴けたり、分厚い本やビデオカセットを持ち運んだりカセットテープを巻き戻したり辞書を何ページもめくったりしなくて良いのは革新的でした。
でもさらに、今ではこれらは全部スマホ一台でできますよね。
スマホで英語学習
スマホが一台あれば、もういろいろ持ち運ぶこともありません。
- 辞書はインターネットの辞書サイトで。映像はNetflixで字幕も音声も選べる。
- 音声はポッドキャストや各サイトの音声ファイル。
- インターネット上にはブログなど個人のサイトも(インターネット黎明期にはあまりサイトもなかった)
- SNSで誰にでもリプを送れる(インターネット黎明期にはメールアドレスを知らないといくら世界と繋がってるとはいえコンタクトをとることができなかった)
昔は英語教材はすごくお金がかかるものでした。
カセット付きの全〇巻の英語教材セットはもちろん高額でしたが、独自に教材を調達するにもDVDプレーヤーやDVDソフトを購入したり(映画に興味がなくても)、英文の雑誌、新聞などを購入したり(全部は読めないのに)。
それから基本的には英語に触れるには机の前、テレビの前、ラジカセの前などに座り、物理的なメディア(本、辞書、新聞、DVD、CD、カセットなどなど)に触れなければなりませんでした。
でも今は、全部寝っ転がってできますよね。まあ英字新聞も英字雑誌もゴロゴロしながら読めなくもないですが、薄暗い所では読めなかったりするのでスマホにはかないません。
ワイヤレスのイヤホンをスマホに繋いで、1日じゅう英語を聞いていることも可能になりました(僕は休みの日には1日じゅう日本語を聞いています…)。
言語だけではなく、周りに英語学習者がいなくてもネット上にはいくらでも経験談が転がっていて、さらには彼らに簡単に連絡を取ることができて、英語学習オタクはめずらしい存在ではなくなりました。
もう今では英語を勉強できない言い訳はしづらくなりましたよね。うふふ。
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