「おみやげ」で検索したらこんなん出てきた。かわいい。 by pakutaso.com
日本に住んでいた頃、旅行に行くという外国人の友人に、
「気を付けて行って来てね」
「しっかり楽しんで来いよ!」
と言うノリで
「お土産買って来てね」
と言ったことがあります。
何でも言える仲で、お土産は毎回あげたりもらったりしていましたが、その時は
「日本人はすぐ『お土産買ってきて』と言う。失礼。」
と言われてしまいました。
確かに図々しいですね。(反省)
お土産は「気持ち」なので、こちらから「下さい」と依頼するものでもないし、旅行したら必ず買わなければいけないものでもありませんよね。
なので申し訳ないと思い、挨拶代わりに言ってしまっただけで本当に何かが欲しかったわけではない、と謝りました。
今回友人が僕に不満を言ったのは、職場であまりにも多くの人たちに
「お土産買って来てね」
と言われてたからのようです。
そう、日本の職場(少なくとも僕が働いた数社)では、
「お土産よろしくね」
「お土産待ってまーす」
は、
「仕事の事は忘れて、楽しんで来て」
「留守は任せろ!」
というニュアンスで言われていたような気がします。
(お土産でチャラにしてやる、という意味だったのかな?)
僕はカナダで働いて十数年になりますが、カナダで日本のようなお土産文化を経験したことははありません。
お土産という言葉はありますので(「souvenir」と言います)、お土産という概念や習慣はもちろんあります。
ただ、日本のように、お土産を買ってくるのが当たり前だったり、社員一人一人に買ってくるようなことはありません。
出張でお土産を買ってくる人もいません。
有給休暇のあとなど、外国のお菓子などを持ってくる人もいますが、それはどちらかというと「おすそ分け」の感覚に近く、「ご自由にどうぞ」的なコーナーに置くことが多く、日本のように「これは〇〇さん」とか「社員〇人だから〇個買わなきゃ」みたいになことはありません。
そして旅行帰りでもなんでもない時に、家からマフィンを焼いてきたり、ドーナツのお徳用パックを買ってきたりする人もいるので、こういうお土産は「おすそ分け」の他に「差し入れ」とも呼べるでしょう。
僕は日本に帰国した後に出社するときには、お徳用のキットカットを買っていったりしますが、これも「おすそ分け」「差し入れ」に近く、個別の箱に入ったキットカットを「これは〇〇さんへのお土産」などと人数分買っていくようなことはしません。
個別に「これは〇〇さん」と買うお土産は、家族や友人などに対してのみだと思われます。もしくは社内でも親しい人とか。旅行から帰ったカナダ人の友人からご当地グッズを貰ったこともありますし、また新婚旅行帰りの直属の上司から僕と同僚の数人だけお土産をもらったことがあります。
とここまで書いて良い表現を思い出しました。義理チョコがないのと同じ原理です。義理お土産の習慣がないのです。義理チョコはありませんが、バレンタインだからと大量にチョコを持ってきて社員向けの「ご自由にどうぞ」コーナーに置いたり、出勤前に社員の机に数個置いてまわる人はいます。でも、それは大抵上司や年配の社員で、日本のように上司に気を使って買って来るようなものではありません。
そうそう、おすそ分け/差し入れ的なお土産を買ってくるのも大抵は上司とかベテラン社員で、新人はそういうことしません…って僕はどうやら年配社員的なポジションのようです...。
というわけで、「義理お土産」の無いカナダ(多分他の英語圏もそう)。
一緒に働いている人ならまだしも、会ったこともない人に「おすそ分け」や「差し入れ」的な行動をする意味がありません。家族や友人と違い、会ったこともない人に「こういうの好きかなって思って」という行動も不自然です。
まだ会ったこともないホストファミリーには、手ぶらで行っても失礼なことはないと思います。
もちろんホームステイ先にお土産を持って行くことは失礼なことではありませんが、持っていかないことも失礼ではない、とこれから語学留学をする若い皆さんに覚えておいていただきたいと思いました。
※読者層はきっと同世代(40代)と思われるが、ネタの都合上無理矢理な所に着地。
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