June 22, 2020

海外で働く際は「金持ち喧嘩せず」の精神で


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■英語はボロボロ、身分も低い

職場で日本人は自分だけ。大人になってから移民したので英語はボロボロ。
そして役職は、特に資格もない平社員。

とはいえ自分しか知らない業務もあり、上司が質問してきたり、何か重大なトラブルが起きそうなときは事前に指摘せざるを得ないような状況もあります。

なぜなら自分以外は在籍が短いから。つまり職歴(経験)だけで業務をこなしているのです。

日本の場合年功序列だったり1ヶ月でも先に入社した方が偉かったりする職場が多いけれど、それでも会計士でも行政書士でもない平社員があれこれ口出ししてきたら面白くないですよね。

在籍年数が長いというだけで威張ってる人はお局様と呼ばれたり(これって大河ドラマが由来だと思うんだけど今でも使われるのかな?)。



■日本人が現地人の同僚に恥を掻かせたら


もし自分以外の人も在籍年数が長く、それぞれが長年慣れ親しんだ自分の仕事をしていればこちらも自分の仕事をするのみなんですが、うちの職場では組織の変更があったり、長期の病気療養をする人がいたり、派遣会社から数人来たり、上司も他部署から来た人っだり、業務の分担があやふやになってきました。

今まではベテラン社員が申請用紙を許可してそれを僕が処理する流れだったのですが、例え業界の経験者とはいえ他社から転職してきた中途採用の人や派遣会社から来た人達は、うちの職場ならではのこと、例えばひっかけ問題のような見落としがちな申請用紙の記入ミスなどは見逃しがちで、それが僕の所に回ってくることがあるので誰かに確認を取らなければならないことが良くあるようになりました。

単純な間違いでかつ誰の担当かが明確であれば担当者に訂正をお願いするのみなんですが、1枚の申請書が僕の所に回ってくるまでには複数の担当者によるチェックがあり、誰のミスか明確でない場合、下手すると「これは私のミスではありません」とたらい回しになることもあります。

また、経験上自分の問題発見レーダーが反応するだけで、何が問題かはわからない場合もあります。こんなケースは見たことがないからきっと何かがおかしい、申請者に確認を取るべき、と思うだけで、実際にはどこがどうおかしいのかはわからないし、もしかしたら自分が間違ってるかもしれないというケースです。仮に担当者が判明していても、どこがどうおかしいのか指摘することは難しくなります。

そんな時はみんなにも知って欲しいので上司に相談というふりをしながらチーム内ミーティングで質問を共有するのですが、結果として“犯人”が炙り出されてしまいます。これは◯◯さんが気付くべきでしたね、みたいに。

その結果、ミーティングの時に問題を共有するのはやめよう、誰かの間違いを指摘して個人を攻撃するのはやめよう、とまるで僕が悪いみたいになってしまいました…。


■身分の低い日本人が現地人様の間違いを指摘するのは100年早かったらしい


というわけで、結果としてみんなの前で恥を掻かせるようなことはやめよう、とみんなの前で恥をかかされてしまいましたが、これはきっと、誰も口には出さないけれど、在籍年数が長いだけで、別に資格があるわけでもなく、役職のある立場にもいない平社員で、英語もロクに話せないこんなヤツが間違いを指摘するなんて生意気だ、というモヤモヤが背景にあるように思えます。もちろん個人の見解ですが。

ショックでした。またか、と。

複数人がチェックしているはずなのに誰もが不備をそのままにして、担当を曖昧にしたまま業務が回ってきて、その改善を訴えたら論点がずれた。

前にも上下関係のない同僚どうしの研修の難しさを指摘したら、人種差別をしたと人事に訴えられ警告文をもらってしまったので、こういうのは今回が初めてではありません。

文頭にも書きましたが、もしこの「担当者不明の問題点すら不明の問題」を指摘していたのが英語のネイティブだったら、士業の資格保持者だったら、課長や部長などの役職についている人だったら…。

要するに身分が低く、「生意気だ!」とでも言うかのようなような反応をとられてしまうのです。


■金持ち喧嘩せず



とはいえ厳密に言うと、僕は全員の前で恥をかかされたわけではなく、今回ミスをした人の前だけで指摘されただけでした。それから指摘のされ方も、気を使われてる感じがしました。つまり恥をかかされたとは言えないかもしれません。

よくカウンセリングなどでは、自分が相手に何かを言われても、それは受け取り方次第だと言われることがあります。

例えば
「◯◯さんにキツいことを言われたから◯◯さんは私の事を嫌っている」
というのは「私」の思い込みで、◯◯さんはたまたま空腹で機嫌が悪かっただけかもしれないし、出勤前に家で嫌な事があってつい口調が荒くなってしまっただけかもしれないし、少なくとも嫌われているとは限らない、というもの。

それをこの件に当てはめて、自分の見方を変えてみたところ、
「間違いだらけの書類を押し付けられ、それについて提言したら生意気って言われた(も同然)」
という“事実”が
「え?図星?ごめーん、恥かかせちゃったー☆」
という“事実”に早変わり。

要するに、常に上から目線、同じ土俵に上がらない、というのが悔しい思いをしないコツですね。

海外(いわゆる欧米、先進国)で働いていると、やっぱり日本人ということで無意識レベルで悪気なく「出る杭は打たれる」状態になりがちです、少なくとも街で日本人を見かけることのないような田舎では。

(もちろん専門分野のある資格保持者や上司としてお勤めの方は別でしょう)

なので、常に「金持ち喧嘩せず」の精神で、失礼なことをされた相手と同じレベルにならない、というのが最近の気付きです。

お金持ちになって細かいことを気にしなくなるのは今の所難しいので
「ハイテクの国日本から来たんだぜ?一緒にすんな」
「はは~ん、1か国語しか話せない人ってこうなのね」
「いくら英語のネイティブでも、やっぱ田舎の人って…プークスクス」
のように根拠のないことを心に思い浮かべるようにしようと思います。

が、そういうことは心の底では思っていないため実際は難しいので、
「ボク日本人だし、カナダ国籍じゃないし、部外者だからどっちでもいいけど、なんでもやりますので言ってくださいね」
という気持ちの「いつまでもお客さん状態作戦」で同じ土俵に上がらないようにしたいと思います(それも日本から来たお金持ち、という設定)。






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