窓際争奪戦に興味はない
「この席は窓際だから陽が差して良いですね」
なんて職場で誰かのデスクについてのコメントを聞くと、まぜ窓際だから良いのかいまひとつ理解できませんでした。
紫外線にいちばん晒される席だし、見晴らしの良い高層ビルにあるオフィスなんかじゃないし、どっちにしろ仕事中は忙しくて窓の外なんか眺めてる余裕ないし。
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数年前にオフィスが移転になり席を選べることになったときも、僕は窓際は選びませんでした。
でもカナダ人の同僚たちの間では、プチ“窓際の席争奪戦”がありました。
やっぱり窓が好き
そんな“オフィスの窓はあってもなくてもどっちでも良い派”な自分でも、窓のあるオフィスって良いなぁと思うことがあります。
もう10年以上通っている歯医者はビルの中層階にあり 受付を終えて通されるのは大きな窓のある見晴らしの良い診察室。丘陵地帯に立つ住宅地を見下ろす形になります。
先生を待つ間、晴れた日には下界に広がる木々の緑を、曇りの日は空を覆いつくす灰色の雲を、寒い日には雪の降り始めなどを見ているわけです(診察中は天井しか見れませんが)。
歯医者以外にも、今まで訪問した色々なオフィス、例えば役所、心理カウンセラー、銀行のファイナンシャルプランナーなどなど、窓があると清々しい気持ちになります。逆に窓の無い部屋に、これから堅苦しい話をする担当者と2人きりになったら、きっと気分的に窮屈ですよね。
窓辺に座って外を眺めてる
在宅勤務になって半年以上経ちましたが、ずっと窓なんかいらないと思っていた自分が窓から見える景色に癒されていることに気付きました。
別に見晴らしの良い高層マンションに住んでいるわけでもないし、海が見える窓辺があるわけでもなく、湖畔に立っている家でもありません。ふつうのアパートです。
窓も、そんなに大きくありません。下から上に持ち上げて開ける、北米にありがちな窓です。
それでも仕事中ふと目を外にやると、晴れの日は青空が見えたり、雨や曇りの日は見る度に変わる空模様が見えます。街路樹の色だって春から夏、そして秋と、季節ごとに綺麗な葉の色が楽しめます。
(…街路樹の葉の色に癒されるなんて、年を取ったものです)
特に雨の日は、窓を打つ雨や濡れていく木々や道路に風情を感じるだけではなく、室内に居れることのありがたみを本当に感じるのです。
(こちらで降る雨は風を伴う事が多く、傘が役に立たずにバス停から家までの距離でずぶ濡れになってしまうので)
職場に窓があったらうれしい
大昔にデパート勤務で配属フロアに窓がなかったことがありますが平気でした。商品を照らすためのスポットライトが至る所にあったからかもしれません。
でも今また窓の無い職場に配属されたら、自然光が恋しくなるかも。
日本で外国人英語講師と仕事をしていた時、彼らよく “fresh air” が欲しいと言って窓を開けるなり外へ出るなりしていましたが、きっとそんな風になるかもしれません。
当時は日本人の同僚と「フレッシュエアーってw」などと彼らの行動を奇妙に思っていましたが、今ならわかります…。
カナダに住んで自然が恋しくなったのか、それとも年を取って自然を愛でるようになったのか。
多分後者ですね。昔は家にいるのはつまらないと思っていましたが、今では開けた窓のそばに椅子に座って外を見ながらコーヒーを飲むのが至福の時ですから。縁側でお茶を飲むのと一緒!って何の話!
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