よくレストランでチップの払い方がわからない、払わなかったらどうなるの、といった質問をネットで目にします。
チップというのは心付けのことですが、カナダでは日本のそれとはちょっと違います。
日本での心付けは、強制ではないけれどお金に余裕のある人や身分の高い人などが、サービス業の人にそっと渡すようなイメージですよね。
でもカナダでは、裕福でなくても、身分が高くなくても、レストランで食事をする以上は強制だといっても過言ではないでしょう。
※もちろんファストフードやフードコート、コーヒーショップなどのセルフサービスの店ではチップは必要ありません。
サービスが悪くてもサービスの15%程度は払う物なんです。サービスの良し悪しでチップの額が云々と言われているのは、
キリの悪い金額の時に:
- サービスが悪ければ切り捨て
- サービスが良ければ繰り上げ
程度のもので、サービスが悪かったから払わない、というのは基本ありえません。
ステーキが生焼けだったとしても、それはウエイターやウエイトレス(サーバーと呼びます)のせいではないので、仮にお代は結構ですと言われてもチップは払うのは普通です。シェフのせいであってウエイターのせいではないというのと、代金について交渉してくれてありがとうという意味です(もちろん払うか払わないかはあなた次第ですが)。
請求されてないのに払うのが当たり前だなんてわかりづらいと思いますが、日本の習慣に例えると結婚式のご祝儀のようなものだと思います。
結婚式のご祝儀は、伝票に書かれているわけでもなく、それどころか請求すらされず、価格表があるわけではありません。
招待状にも会場にもご祝儀を渡さなければいけないなんてどこにも書いていません。
でも、ご祝儀を渡さずにちゃっかり着席して披露宴に参加していたら…。
もしくはご祝儀がありえないほど低額だったら…。
非常識ですよね。
そうなんです、レストラン等でチップを渡さないのは非常識なんです。
結婚式と違うのは、レストランなどの場合は相手がもう二度と会う人ではないということ。なので人の目が気にならないというか、慣れていないとチップを払うモチベーションがないかもしれません。
言い換えれば、その国の文化に慣れていないということ。
カナダのレストランでチップを支払わないのは、外国人観光客が日本の文化に従わないようなものなのです。
カナダでは多くの店でクレジットカードが使えますし、15%の額もスマホで計算できますから、小銭が無いとか、15%が何ドルか計算できない、なんて言い訳はもうできません。
最近はクレジットカードのPOS端末にパーセントを入力できたり、10% 、15%、 20%というボタンが表示される機種も多いので楽になりました。
個人的には、飲食店が厳しいご時世なので、また普通に行ける時が来たらチップは多めにしたいと思っています。
Photo by pixabay.com
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