May 27, 2021

日本人は意地悪?



某SNSで日本人は意地悪、という投稿が流れてきました。

それはニュース記事の紹介で、僕はその記事は読まなかったのでどういう文脈かはわかりませんが(読まなかったんかい)、僕も日本人は意地悪だなと思う事があります。

「日本人が」というより、僕が他人に対して意地悪だなぁと思うことが多いのです。

そしてそれは日本人的な考えなのかな、と思うのです。




カナダでは「個人それぞれ事情がある」というのを尊重される傾向にあります。


たとえば給食で全員が同じものを絶対に食べなければいけない、というようなことがありません。一人一人好みが違うのはもちろん、アレルギーの有無、体格、食べられる量、宗教、食事療法(ベジタリアンとか)も違うのは当たり前ですよね。


でも…。

現地の日本食レストランでアルバイトしていたときも、好き嫌いがある人の多い事といったら!

サビぬきとかガリなしなんてレベルじゃなくて、セットメニューから一部の材料を変えろとか(マグロの代わりにサーモンくれとか)、この醤油じゃなくてあの醤油はないのか、やりたい放題(別の醤油なんてありません)。

アレルギーを持つ人も多く、甲殻類アレルギーの人なんて寿司屋にはそもそも来なければいいのにと思うことも。だって甲殻類を調理したまな板の物は食べられないなんて言うんだもん。




そしてこのご時世で、マスク着用が義務になったり、バスの運行時刻が変更になったり、店の営業時間が変更になったりと、いろいろ変更がありますが、そのたびに、SNSは個人の主張で荒れます。

「私は肌のアレルギーでマスクが出来ないのに!」とか、「病院に行くのにバスが必要なのに!」とか。

ユーザー同士で口論になるぐらい荒れていても、そんな個人的な都合については叩かれていないように見えます。



職場でも、

  • 仕事の覚え方や覚える速度は人それぞれ、
  • 子供の発熱や親の介護など家庭の事情も人それぞれ、

なんて言って、仕事の覚えが悪くても、家庭の事情で早退や欠勤になっても、人それぞれ事情があるんだからしょうがないでしょ、という空気感です。

それで従業員にしわ寄せが来ても、社員同士で愚痴を言う時の矛先は従業員じゃなくて、社員に穴埋めをさせてくる上司や会社です。





でも、僕個人としては、なんか大げさに聞こえるんですよね。

甲殻類アレルギーなんて自分の周りには1人もいないし、なのに小さな日本食レストランに毎日のように甲殻類アレルギーのお客さんが現れるのも変だし、清潔にしているとはいえエビを調理したまな板で刺身も作るのに店内でアレルギー反応が出た人もいなかったし、そもそも注文前に念を押すような人が寿司や刺身がメインの店に来てる事自体不自然。

言っちゃいけないことだけど、アレルギーじゃなくて単なる好き嫌いじゃないの?と言いたくなるくらい。


マスク着用の件だって「じゃあ外出は控えて下さい」とか、バスの件も「運転できる友人に頼んだりタクシーを利用すれば?」と思ってしまいます。


仕事だって、同じ役職なのに「私は覚えが悪いから」なんて3年も言い続けて仕事の量が違うのは納得が良いかないし、子供もいなければカナダ国内に親類がいない自分は家庭の事情で遅刻早退欠勤をすることもないのでなんだかなーと思います。


でもこういう考えって意地悪ですよね。なんだかそんな意地悪に思ってしまう自分が、日本人っぽいんだなぁと思います。

(そうじゃない日本人も多いんでしょうけど)


ま、レストランのアルバイトは20年前の話だし、マスクやバスに文句を言っている人はSNSの中だけで知り合いにはいないし、仕事は在宅になってから作業量がガラっと変わって何一つ困ってることはないんですけどね。


本来みんなで守ると決まっていることなのに誰かが“個人の都合”で免除されているのを見ると、「そんなの知らん、ルールは守れ」と意地悪な気持ちになってしまいます。



ちなみに1人1人違う個人の事情に合わせるようなことを、英語では accommodate (アコモデート)と言います。

ベジタリアンなので職場のポットラックに参加できません、と上司に言ったことがありましたが(自分も個人の都合で免除してもらってるw)、

We can accommodate

(それなんとかできますよ)

と言われました。 

なんとかできるって言われても参加者に肉料理を遠慮してもらうのも誰かの肉料理を避けるのも嫌なので改めてお断りしましたが。

嗚呼、やっぱり意地悪w



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May 12, 2021

実はワーホリや留学で日本人の友達が出来る話






留学やワーキングホリデーは、その国に滞在したことによって現地の文化や言葉が学べるのがメリットですね。

個人的には買い物でもなんでもオンラインにすべきと思っていて、日本にいながら海外の学位が取れるのが理想だと思っているのですが、残念ながらオンラインだけでは経験できないことも事実。

空気や温度、湿度、匂い、食事などはオンラインでは経験できませんからね。

言葉を学ぶにしても、授業以外のこと、例えば電車やバスの乗り方、カフェやレストランでの注文の仕方、アパートの入居、ルームメイトとの会話などなど、オンラインレッスンだけでは経験できないことがたくさんあります。

(個人的にはこれらの人とのコミュニケーションが苦手なのでオンライン推しなんですけどね)





そして見逃しがちなメリットがもう1つあります。

留学(やワーキングホリデー)をしなければ出会うことのなかった日本人と出会えるということ。

たまたま同時期に留学(やワーキングホリデー)をしに来たという、何かの縁。

異国の地で数少ない、母国語が通じる話し相手。

もし年齢が近ければ、英語を教え合ったり、困った時に相談に乗ったり、お互いの夢を語りあったりすることもあるでしょう。

…ま、今はネットでに日本にいる家族や友達とリアルタイムで話せますけどね。






僕がワーキングホリデーをしていた頃は、SNSはもちろんブログなんかも無い時代だったので、ワーホリが終わってそれぞれ帰国すると疎遠になってしまいました。

インターネット自体は普及し始めた頃だったのでメールアドレスは多くの人と交換しましたが、メールって意外とハードル高いんですよね。特別な用が無いと出しづらいんです。

でも、もしSNSの時代だったら、きっと一生の友達(または古参のフォロワー)が出来ていたと思います。

帰国後に日本でワーホリ仲間で集まる話も聞いたことがあります。

ワーキングホリデーや留学というと“外国人の友達を作る”なんて意気込む人もいますが、ひょんなことから日本人の友達という副産物を手に入れる事があることもあるんです。


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May 9, 2021

レストランでチップは払わなければいけないの?

 


よくレストランでチップの払い方がわからない、払わなかったらどうなるの、といった質問をネットで目にします。

チップというのは心付けのことですが、カナダでは日本のそれとはちょっと違います。

日本での心付けは、強制ではないけれどお金に余裕のある人や身分の高い人などが、サービス業の人にそっと渡すようなイメージですよね。

でもカナダでは、裕福でなくても、身分が高くなくても、レストランで食事をする以上は強制だといっても過言ではないでしょう。

※もちろんファストフードやフードコート、コーヒーショップなどのセルフサービスの店ではチップは必要ありません。



サービスが悪くてもサービスの15%程度は払う物なんです。サービスの良し悪しでチップの額が云々と言われているのは、

キリの悪い金額の時に:

  • サービスが悪ければ切り捨て
  • サービスが良ければ繰り上げ

程度のもので、サービスが悪かったから払わない、というのは基本ありえません。

ステーキが生焼けだったとしても、それはウエイターやウエイトレス(サーバーと呼びます)のせいではないので、仮にお代は結構ですと言われてもチップは払うのは普通です。シェフのせいであってウエイターのせいではないというのと、代金について交渉してくれてありがとうという意味です(もちろん払うか払わないかはあなた次第ですが)。


請求されてないのに払うのが当たり前だなんてわかりづらいと思いますが、日本の習慣に例えると結婚式のご祝儀のようなものだと思います。



結婚式のご祝儀は、伝票に書かれているわけでもなく、それどころか請求すらされず、価格表があるわけではありません。

招待状にも会場にもご祝儀を渡さなければいけないなんてどこにも書いていません。

でも、ご祝儀を渡さずにちゃっかり着席して披露宴に参加していたら…。

もしくはご祝儀がありえないほど低額だったら…。

非常識ですよね。




そうなんです、レストラン等でチップを渡さないのは非常識なんです。

結婚式と違うのは、レストランなどの場合は相手がもう二度と会う人ではないということ。なので人の目が気にならないというか、慣れていないとチップを払うモチベーションがないかもしれません。

言い換えれば、その国の文化に慣れていないということ。

カナダのレストランでチップを支払わないのは、外国人観光客が日本の文化に従わないようなものなのです。



カナダでは多くの店でクレジットカードが使えますし、15%の額もスマホで計算できますから、小銭が無いとか、15%が何ドルか計算できない、なんて言い訳はもうできません。


最近はクレジットカードのPOS端末にパーセントを入力できたり、10% 、15%、 20%というボタンが表示される機種も多いので楽になりました。


個人的には、飲食店が厳しいご時世なので、また普通に行ける時が来たらチップは多めにしたいと思っています。


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May 5, 2021

英会話上達のコツは、他人と比べない事






◆ ネイティブと比べたら絶望しかない


大人になってから英会話の勉強を始めた時、ネイティブのように話せたらなぁと思っていました。

英語圏出身と間違われるレベルの英語が当時の最終目標でした。

なので英会話スクールは“講師は全員外国人”が売りのスクールを選びました。

でもね…講師の発音と自分の英語には、越えられない壁がありました。

発音はもちろんのとこ、言葉選びとかもそうでした。

それでも講師達はゆっくり話してくれるので、頑張って練習すれば近づけるかもしれないと思い、家では洋画を多く見るようにしましたが、逆効果でした。

リアルな英語(洋画など、英語圏の俳優が英語圏の観客に向けて話している英語)を聞けば聞くほど、

「あんな風にはなれない。あれは生まれつき。」

と、絶望しか感じませんでした…。




◆ すごい人とは比べない。でも手の届きそうな目標はアリ。


ネイティブの英語を聞くと絶望しかありませんでしたが、英会話スクールでは講師はゆっくり話してくれるので楽しく通っていました。

そんなある日、普通のレッスンとは別の、スクール内で開催される受講者のクラス(レベル)関係なく集まって教科書を使わず自由に話し合う場に参加する機会がありました。

そこで僕より1つか2つ上のクラスであろう参加者が、つっかえながらも、そしてカタカナ発音ながらも、外国人講師と意思の疎通が出来ている様子を目の当たりにしたのです。

ネイティブみたいに話すのはもちろん無理でも、あれくらいなら自分でも話せるようになるかも!と刺激を受けました。

※こう書くと失礼に聞こえますが、“あんな風になりたい”というリスペクトしてました。

きっとこの場合、自分と比べているのではなく、単に刺激を受けたんでしょうね。

ライバルがいると切磋琢磨できて良い何て言われますが、きっとそういうことでしょう(一方的に勝手にライバル視)。



◆ ネガティブ発言は自分への呪い


色んな所で見聞きした受け売りですが、脳の仕組みから言っても、誰かの悪口は自分への呪いになってしまうようです。

たしかに嫌いな人のことの愚痴ばかり言っていると、その人を見かけただけで動悸がしたり頭痛がしたりするようになったりしてしまうこともあるので、これは自分に呪いといってもあながち間違いではないと思います。

ネガティブ発言も同じく、繰り返していると自己暗示にかかりネガティブ目線でしか世界を見れなくなってしまい、毎日がつまらない生活になってしまうようです。

ライバルから刺激を受けるのは良い事ですが、それが自分との比較ばかりに意識がいってしまうと、「自分はダメなんだ」「あんな風に出来ない」という自己暗示にかかってしまいます。

ネイティブの話す英語を聞いて絶望的になってしまったのは、この自己暗示により英語そのものを飛び越えて自分で人格否定をしてしまっていたからなのでは、と今になって思います。

あ、ネガティブだのネイティブだの似たようなカタカナ語ばかり連発してごめんなさいね。



◆ 去年より成長してればいいじゃない


英語の勉強を始めると、恥をかいてしまう機会が増えて自信がなくなってしまうことがあります。

普段は人に教えるような立場の人でも、英語を学ぶときは一字一句指摘される側になるのです。

たとえば、うちは両親が東京出身なので、僕自身は地方で生まれ育ちましたが家では方言を話しませんでした。なのでイントネーションで困ったことはなく、雨と飴、橋と箸、のような話になると常にツッコミの側でした。友達の誰かがお年寄りしか言わないような本格的な方言を言うと、笑う側でした。

それが初心者として英語を話している間は、常にアクセントなどの発音に悩まされ、何を言っても突っ込まれ(ウケを狙ってボケてるわけじゃないのに)、普段言い慣れてない言葉を言うと笑われる側になりました。

でも。

英会話スクールに通っていると、少しはレベルアップしてるんですよね(レベルごとにクラス分けされている)。

1年ぐらい経てばTOEICなどのテストのスコアも上がるし。

スクールのレベルやテストのスコアが去年とあまり変わらなくても、ラジオ英会話で覚えたフレーズは増えてるはずだし、相槌や感嘆文のような、テストには関係ないけれど会話には大事な潤滑油のような表現もきっと増えてるはず。

初級・中級だと、バリバリ英語を話している人を目の当たりにすると挫けてしまうこともあるかもしれません。

越えられない壁に注目するより、ちょっとでも成長したことに注目すると、意外と楽しく学習が継続できると思います。



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May 1, 2021

あなたの留学経験談は役に立たないかも

 




◆ 21世紀が近未来でなくなった件

20年前と聞くと、それはそれは大昔に聞えます。

1人の人間が生まれて成人するまでの間ですからね。

10年間を a decade というので、20年間はそれが2つ。 two decadesです。 

しかし。

今から20年前は2001年だったわけですが、“20年前”ではなく“2001年”というと、すごく最近のことのように聞こえませんか?中高年の皆さん。

だって2001年といったら21世紀で、21世紀といえば近未来。車が空を飛んでそうなイメージだった新世紀です。

実際に2001年を振り返っても、既に携帯電話はあったし、インターネットもありました。

CDやDVDも当時から売っていたし、モー娘。もミスチルもドリカムもB'zも当時から売れっ子でした。

子供向けのアニメといえば今と変わらずドラえもん、クレヨンしんちゃん、アンパンマン、ちびまる子ちゃん。

でも、その2001年も今から20年前のこと。近未来どころか過去も過去、大過去なのです。



◆ 留学経験者はいつか経験をまとめたい

留学経験者も、帰国して、再就職して、落ち着いて余裕が出てくると、留学経験をまとめたくなるんですよね。

ブログとか、電子書籍とか、今は個人が発信できる手段がいろいろありますもんね。

留学した翌年ならまだしも、僕の知人に留学後20年経ってもまだ「これから留学する人に向けてまとめたい」と言っている人がいます。

たしかに日々の生活に追われていると、やりたいことは先延ばしになってしまうものです。

20年なんてあっという間です。

  • いつか小説を書きたい
  • いつか絵を描き始めたい
  • いつか本格的に英会話を始めたい

と言って始めずにいるのに似ています。

老後に若かりし頃の思い出を綴るなら良い趣味になると思いまし、昔の留学は大変だったんだという読み物としてなら若い人も読んでくれると思いますが、情報としては役に立たないでしょう。

たとえあなたが留学したときに既に

  • インターネット
  • スマホ
  • 動画サイト
  • SNS
  • ブログ

などがあっても、です。

なぜならIT関係はハードウエアもソフトウエアも1,2年で変わってしまうことが多いからです。それ以外にも、

  • 移民関連の法律
  • 航空関係の規制
  • ネット関係などのテクノロジー
  • 常識(カナダでもマスクが当たり前になる、など)
などなど、常に変化するものはいくらでも挙げられます。

とくにこのご時世のように、一夜にして営業時間が短縮になったり外出自粛要請が出されてしまうなんてことがあるなんてことも、今では誰もが知るところとなりました。


◆ 留学経験者に告ぐ

これからご自身の留学体験をまとめたいと思っている皆さん。

残念ですが、あなたの情報は使えません。もう古いんです。

…って、それ まさにこのブログ!

自分の留学経験を基に書いているので、情報としては古すぎます。

もちろんその自覚はあるので、その代わり、読み物として「昔の留学はこうだったんだよ」とか、「今の若い人と違って当時の若者はホニャララだったんだよ」みたいに振り切った内容にするようにはしています。


過去記事:英語でホニャララとチョメチョメ


個人的には人の昔の話を聞くのが好きなのでそれぞれの留学経験談を読むのが好きなのですが、“これから留学する人のため”にはならないでしょうね。


◆ まとめ:あれから◯◯年経ってると気付きましょう

白黒写真の時代やアナログレコードの時代は大昔と認識できるのですが、2000年代以降はそれほど昔という感じがしません(私だけでしょうか…)。

先に述べた音楽メディアやテレビ以外にも、コンビニ、ファミレス、100均チェーン店、ファストファッション、郊外型の大型ショッピングモールなどなど、生活そのものがその頃から変わらないですよね?

ファッションだって、70年代、80年代、90年代までなら代表的な流行りがありましたが、00年代と10年代って違いはあまりないように思えます(自分がおじさんになって流行に無頓着になっただけ?)。

そんなに昔のような気はしないけど、もう20年前も前だったのね、と衝撃を受けたので自分に向けて書いてみました。

20年前というのはおおげさですが、2~3年前にはまだオンラインの授業なども一般化していなかったと思いますし、将来また留学が普通に出来る時代になったらつい最近(2~3年前)に留学した人の情報もあまり役に立たなくなってしまっていることでしょう。

人はなにかと教えたがるものなので(掲示板やSNSのコメントなどがそうですね)、留学経験者のみなさんにおかれれましては「今は違うかもしれないけど」「参考までに」と一呼吸おいてから体験談をお話されると良いかもしれません。

(と自分に言い聞かせています)


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April 27, 2021

通訳するときに勝手にキャラ付けしがちな件




英語って俗に言う男言葉・女言葉がない言語ですよね。

「~だぜ」「~だわ」「~なのよ」みたいな。

たとえば以下の言葉は、英語なら全部 This is a pen です:

  • これはペンだぜ。
  • これはペンだわ。
  • これはペンなのよ。
  • これはペンね。

ということは This is a pen を「これはペンだわ」と訳すか「これはペンなのよ」と訳すかは、訳者次第ということになりますね。

「ええ、そうね。私は寿司が好きよ。トロが大好きなの。よく食べるわ。」

なんていう大物スターのインタビュー記事も通訳の妄想で、実は

「はい、そうです。寿司が好きです。トロが大好きです。よく食べます。」

と、あっさりした受け答えだったかもしれません。

その通訳はきっと「この人が日本語を話したらきっとこう言うだろう」というキャラ付けをしているんでしょう。



だってそもそも、日本の芸能人だってそんなに馴れ馴れしく喋らないじゃないですか。

映画賞の受賞の感想だって大抵の役者さんは

「とっても感謝しているわ」

ではなく

「とても感謝しています」

って言いますよね?



原宿の“カワイイ”文化が好きなアーティストだって、きっと

「とってもキュートなの」

というよりは、英語のネイティブが直接そのインタビュー音源を聞いたら

「すごく可愛い!」

と言ってる、というかもしれません。


特にテレビのように本人が話しているのと同時にそんな字幕がついていると、勝手なキャラ付けに違和感を覚え…るとは言わないけれど、ツッコミを入れたくなり、なんか微笑ましくなります。




海外在住の日本人の伝聞もそうなりがちですよね。

たとえばカナダ人と英語で話して、日本人に日本語でそれを伝えるとき。



「あなたもやったほうがいいよ」

であろう程度のことが

「あなたもやるべきよ」

「あなたもやるべきだわ」

に変換されて、ちょっと大げさに演出されてるかもしれません。




大昔、カナダの寿司屋でアルバイトしていた時のこと。

僕は昼のシフトで、夜は別の人が入っていました。

その夜のシフトの中に、カナダ人の大学生がいたのですが(仮名でブライアンとしましょう)、シフトが違うのでずっと会う事はありませんでした。

とはいえ夜にやったことを昼に引き継ぐこともあるので、よくオーナーがブライアンの話をしていました。例えば彼は背が高いので電球を変えてくれた、とか。


オーナーは日本人なので、僕とは普通に日本語で話していました。

当然、ブライアンが言ったことも日本語に変換されます。

たとえば彼が「I can do it」と言ったら

「ブライアンが 『I can do it』 って言ってくれたの」

ではなく

「ブライアンが『僕できるよ』って言ってくれたの」

と変換して僕に伝えられます。



そこで聞く彼のキャラは、子供っぽくて、頼りなくて、でもお調子者で、ヘラヘラした人物でした。

それはオーナーがブライアンが言っていたことを“こう言ってた”というときは、間接話法ではなく直接話法、しかもモノマネ風だったからです。

モノマネと言っても彼は日本語を話しませんから、オーナーが頭の中で通訳したことを洋画の日本語吹き替えのように演じて言うわけです。



たとえばオーナーが、彼が忘れ物をして戻ってきた、というエピソードを僕に話してくれたときは、

「彼が忘れ物をしたと言って戻ってきたの。」

ではなく、

「彼が、『ボク忘れ物しちゃったんだよぉぉぉ』と言って戻ってきたの。」

と言う、といった感じです。


ところが、たまたまシフトが一緒になることがあり、噂のブライアンに実際に会ってみたところ…なんと一般的な、真面目な青年でした。

そんなアニメのキャラのように喋ってはいませんでした。



外国でホームステイした経験談などを描いたブログを読むと、

ホストマザーから

「心配ないわ、あなたの英語は大丈夫よ。」

と言われたとか、

英語学校の先生から

「あなたにとって必要なのは自信をもつことだわ。」

と言われたとか、

行きつけのカフェの店員から

「あなたが来てくれてうれしいわ。」

と言われたとか、

登場人物がみんなドラマティックな舞台俳優のような口調になっていますが、ええ、そうね、おそらく原文はもっとシンプルだと思うわ。でも英語で言われたことを日本語に言い換えるのが難しいだけなのよ。きっとそうだわ。


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April 25, 2021

在宅勤務に観葉植物のススメ

カナダで会社員をしている、トム(仮名)です。
現在はこのご時世で在宅勤務をしています。

このブログでは英会話や海外就職について思ったことを書いていますが、今日は在宅勤務についてのお話です。


■ ホームオフィスにグリーンを


お洒落でミニマルなデスクまわりを、と思いYouTubeやInstagramでホームオフィスの画像をたくさん見ています。

フェイクにしろ本物にしろ、鉢植えを置いている方が多いみたいですね。

そしてそれがオシャレ。

というわけで、僕も真似して、家にたまたまあったフェイクの観葉植物を置いてみました。

それはそれでよかったのですが、気候も春めいて来てスーパーマーケットの園芸コーナーにも鉢植えが戻ってきたこともあって、1つ買ってみる事にしました。


それにほら、植物って二酸化炭素を吸って酸素を吐き出すというじゃないですか。
根拠は知らないけど目にも優しいと言うし。


■ この子を連れて帰ってきました


スーパーマーケットに並んでいた植物は、心なしかしおれているものもあり、売れなかったらどうなってしまうのか考えたら、保健所で犬や猫を見ている気になってしまいました(病んでる?)。

全部は買い取れないので、1つだけ購入し、家に連れて帰ってきました。


1週間ほどして鉢を受け替えました。よく見ると一鉢に何株かあったので、株分けしてゆったり育てようと思いました。

以下ビフォー・アフター。

ビフォー:

アフター(3株もありました):


ビフォー:

アフター(2株ありました):


■ 結局デスクには置いていない


株分けまでしましたが、実は部屋の模様替えをしてしまい机に日が当たらなくなってしまったので、植物は窓際に置きました。

緑のあるお洒落なホームオフィスにする作戦は失敗に終わりましたが、仕事中に窓に目をやると緑が目に入るというのは良いものです。

造花と違い、葉が光りに透けたり水やりで生き生きとする様子が見れたりするので、やっぱり植物は良いですね。



■ 生き物を育てている


植物を擬人化して可愛がるなんてことはしませんが、自分が世話をしないと枯れていまうのはペットと一緒。

そして手を掛ければちゃんとそれに応えてくれるところもそうですよね。

水のやり過ぎで痛んでしまうのも、餌をあげすぎてしまうとペットの健康が害されてしまうのに似ています。

正直今まであまり植物に興味はありませんでしたが、想像以上の癒し効果がありました。

とりあえず枯らさないように頑張ります。



April 24, 2021

he/sheで悩んだら―英語で文章を書く時は極力複数形を使おう


 

everyone は、3人称単数です。

「みんなそれが好き!」は

Everyone likes it!

です。


「誰もが自分のお金を使います」は

Everyone spends their money ではなく

Everyone spends his or her money. 

が正解です。

英語が母語の人でも their と言ってしまっていますが、カナダでも学校では his or her で習います。


でも、his or her は面倒くさいですよね。

口頭ならなおさら。

筆記でも、his/her とスラッシュで書くか、or と書くか悩んだりもします。

それから「彼」と男性を先に書くのも男女平等でないと言う人が出てきそうな気もします。

もし全員女性なら Everyone spends her money となるべきなのに his なんて書いてしまったら女性蔑視だと「また」言われかねません(トラウマ)。


参照→過去記事:人種の話は絶対タブー


というわけで、 everyone とか anyone とかは避けたいところ。


これ、大学で履修したビジネスライティングのクラスの先生によると、こういう面倒臭さを回避するために主語は極力複数形で書いたほうが良いそうです。


上記の例の場合、

Everyone spends his or her money. は

People spend their money.

They spend their money.

All of them spend their money.

などと言い換えられます。





 そして everyone 以外にも、こんな例も。

「ユーザーはパスワードを入力しなければなりません。」

というのも、

A user needs to enter his or her password.

とも言えますが、

Users need to enter their passwords.

とすればジェンダー問題を回避できます。





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April 23, 2021

スタイラスペン(タッチペン)を買ってみた




カナダ在住のトム(仮名)です。
最近ペンタブ(板タブ)を買い、趣味でお絵描きを始めました。


今回、パソコンでのお絵描きに飽き足らず、手持ちのタブレットでもお絵描きしたくてスタイラスペンなるものを購入してみました。





こちらです↓


アマゾン(カナダ)で30カナダドルほどでした(3千円ほど)。
メーカーは Zspeed。


選定にあったって考えたこと:

  • 古~い iPad Mini 2 (2012年頃のモデル)に使える
  • Amazon Fire HD 8  に使える
  • Android (スマホ)に使える 

最近発売された iPad を持っているなら色々な機能が付いたものが選べたと思いますが、iOSと Android のどちらにも使えてかつその iPad が古いとなると(少なくともアマゾンカナダでは)なかなか見つからず、このモデルぐらいしか見つかりませんでした。







使ってみた感想:


■ パームリジェクションは必須(当機種には付いていない)

ペンを持った手をタブレットの上に置けないので、ふにゃふにゃの絵しか描けない。
(あの“いかにも絵師”っぽい二本指の手袋を買おうか悩んでいます)

■ 遅延が気になるほどある

描いてから線がタブレットに移るまでの遅延が気になるレベルであるため、ちゃんとした絵は描けない。

■ iPad Mini 2 ではガラスの厚みが気になる

Amazon Fire では気にならないけれど、iPad Mini 2では画面のガラスの厚みがある感じがして描きづらい(紙とペンの間に分厚いガラスがある感じ、または鏡の上に描いている雰囲気)。


まとめ:

スタイラスペンを買ったのは失敗でした。

YouTubeで安いスタイラスペンのレビューがたくさんあり、どれも高評価ですが、皆さん良いタブレットをお使いのようです。

これはブレンストーミングなどの一時的な落書き専用にします。

お絵描き用には、いつか、お絵描き専用のタブレットか最新の iPad と Apple Pencil を買おうと思います。


ちなみに英語でスタイラスペンは stylus です。


April 22, 2021

カンニングは英語じゃない

 





そういえば、テストで隣の席の人の答えを盗み見するカンニングって英語じゃないって知ってました?


英語では cheating と言います。


海外ドラマなんかを見てると、カンニングをした子を発見したクラスメイトが先生に

He is cheating! (ズルしてる!)

なんて言ってるのを見たりします。



それからトランプのババ抜きなどで隣の人の手札を盗み見しようとしている人に

 No cheating! (ズルしちゃダメ!)

なんて言ったりもします。



大学でテストのときに、何センチ×何センチまでなら1枚のみ方程式などを書きこんだ紙を持ち込んでも良いというクラスがありましたが、その紙も“cheat sheet(チート・シート)”と先生自ら言ってました。

スピーチマーク(“”)付きで俗称というニュアンスでしたが。



そして就職先では、エクセルやワードなどのマニュアルがないソフトウエアの特殊な使い方をメモした紙も cheat sheet (チート・シート)と呼んだりします。

本当は何も見なくても使えるべきなのに、とか、本当は手順書などの正式文書を見なければいけないのに、手書きのカンニングペーパーを作ってズルしてる、という意味合いです。

この“カンニングペーパー”こそが cheat sheet ですね。


カンニングという英語はありますが(cunning)、同じ「ずるい」という意味の言葉でも、テストでの盗み見には使われません。

cheating には不正の意味があり、ずるして正解、ずるして勝つ、の「ずるい」なので、 cunning のようなしたたかなイメージとは真逆ですね。


…などと偉そうなことを書いてしまいましたが、これはもう、英語学習の鉄則ですが、あまり頭で理由を考えずに「テストでの盗み見=cheating」とセットで覚えるのが確実だと思います。

単語の理由を考えるより、英語⇔日本語の反射神経を鍛える!



ちなみに cheat は浮気をした、という意味にも使われて、He cheated on me (彼は浮気をした)なんて言ったりします。


普段からカタカナ語を使っていると英会話の時に役立ちますが、日本語でも最近はダイエット用語で「チート・デイ」(ズルして好きな物を食べちゃう日)なんてのがありますね。

ズル=チートと覚えておくと、英会話の最中にちょうど良いタイミングでポロッと口から出て来るかもしれません。



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April 21, 2021

カナダで Keychron のメカニカルキーボードを買った話

 






ずっと欲しかった、メカニカルキーボードを買いました。

仕事用ではなく、個人用です。

ブログ(これ!)を書くのに、もっと楽に、早く打てるものを探していました。

プログラマーでもプロブロガーでもなんでもないんですが、触り心地やう打ち心地の良いキーボードが欲しかったんです。


YouTubeやブログなどのレビューを参考にして、以下の条件が良いと思うようになりました。

  • メカニカルキーボード
  • なるべく小さいもの
  • ワイヤレス
  • テンキーはいらない
  • ファンクションキーもいらない
  • 複数台のデバイスに接続可能
  • Bluetooth 
  • 矢印キーが独立している
  • キーがカラフルに光る


というわけで買ったのがこれ。


Keychron の K6 というモデルです。


YouTubeのレビュー動画によると米ドルで100ドル以下、日本円で一万円以下とのことでしたが、カナダのアマゾンでは200カナダドル近くしていたのでアマゾンはやめました。

というわけで Keychon のオフィシャルサイトを覗いたところカナダでの正規販売店のリストが見つかったので、そこ(オンラインショップ)から購入しました。

送料無料で金曜の夜に注文して火曜の昼に届きました!感動。

(しかも、念のためと玄関に出たところにちょうど配達のお兄さんと遭遇!手渡しで受け取りました)



茶軸、赤軸、青軸…の他に、 リニア、タクタイル、クリッキーなど、いろいろ種類があるようなのですが、よくわからないのでYouTube動画を参考に茶軸にしました。

そしてリニアを買うつもりが、オーダー時にはすっかり選択するのを忘れていて、家に届いた箱を見たらタクタイルでした(笑)。

どちらにせよ違いがよくわからないのですが、打鍵感に満足しています。




iOS用のキートップをはずして、付属のウィンドウズボタンに取り替えました。


とにかく満足しています。

これでこのブログも毎日更新なるか!?




めっちゃかっこええ…。